住まいを新築する時、採光や風通しの良さを考えていくことが大切です。
風通しをよくするということには、いくつかの目的があります。
室温を下げ、開放感を得るだけでなく、湿度を下げることが大きい目的です。
今回は、この湿度低下に焦点をあてて、間取りについて考えていきたいと思います。
驚くことに、住まいに1番湿気が多い時期は、新築した時です。
もともと日本は、土壌自体がかなり湿っぽいものが多かったのですが、特に、川や水田や池などを埋め立てた場所や丘陵地の斜面の造成地は、湿度の高い場所です。
また、基礎のコンクリートに含まれる水分によって、湿度が高くなります。
特に、ベタ基礎の場合、建築当時は、コンクリートで覆われますから、かなり湿度も高くなっていきます。
私の友人が住まいを新築した場所は、かつて、水田だったところです。
造成して10年経ちますが、地面からの湿気が住まいの基礎に及ぼす影響や耐震性を考えて、ベタ基礎を採用しました。
最適な場所に床下自然換気口をつくり、空気が流れやすいように、床下換気扇を設置しました。
その上で、住まいを南北に分断する廊下をやめて、玄関ホールからすぐにワンフロアになっているLDKに入る間取りにしました。
住まいの南側に掃き出し窓をつくり、住まいの北側にある対面式キッチンの背後の壁にハイサイドライトを設けました。
東側には、トイレ、洗面脱衣所、バスルームを設置しましたが、視界を遮るために、壁でなく、格子の間仕切りにしました。
西側の玄関には、玄関ドアの上の高い位置に横長のハイサイドライトを設け、東側にもそれぞれに窓をつけました。
部屋の入り口には、引き戸を採用しました。
普段は、開放することで、かなり風通しがよくなり、湿気がこもりやすい玄関、キッチン、トイレ、洗面脱衣所、バスルームが孤立することなく、風が流れていきます。